※夢主登場なし、台詞のみ、キャラ一部崩壊
ドンッ
亜矢子「ちょっと淳、卓袱台叩かないでよ。お茶零れたんだけど」
淳「……前から気になっていたことがある」
亜矢子「……何を?」
淳「何故、俺のシナリオが無いんだ?」
恭也「しょうがなくね。皆が村でサバイバルしてる間、お前は初っ端で美耶子に殴られてそのまま気絶してたんだし」
淳「黙れ余所者。俺はあの後屋敷に帰って焔薙と狩猟銃を装備した後、村中の屍人を狙撃してゴ○ゴにも劣らない精度まで射撃の腕を上げたんだよ。俺の腕前は、お前が身を以て知っているだろう」
恭也「ああ……美耶子と話していたら川に撃ち落とされるわ、いんふぇるのでは邪魔してくるわ……正直堕辰子よりお前がラスボスなんじゃね?って思った。俺が撃たれる度にムカつく高笑いするし、最後は焔薙でゴリ押しして来るし……お前めちゃくちゃ過ぎるよ」
淳「勝負はどんな手を使っても勝てれば良いのさ」
恭也「うわ……最悪な台詞をドヤ顔で言う奴初めて見た」
淳「憂さ晴らしにも丁度良かったしな」
恭也「俺に八つ当たりすんなよ」
淳「そもそも羽生蛇村が舞台のゲームなのに、何故余所者のお前が主人公なんだよ。それに、お前が美耶子と満更でもない仲になる展開はいただけないな。ああ……それにしても俺のシナリオ10個は出して欲しかったな」
恭也「それくらいシナリオあるのは主要キャラの俺と竹内さんくらいだろ」
淳「主要キャラって何だ。それはお前とあのオカルト教授以外は主要じゃないということか!」
恭也「そういう訳じゃないけど……でも、結局真相に近付いていくのは俺と竹内さんだけだし」
亜矢子「で、自分で考えたシナリオの提案はないの?」
淳「勿論あるに決まっているだろう。俺の考えたシナリオはこんなイメージだ!」
神代淳 蛇ノ首谷
川の上流付近で恭也と美耶子が会話する姿を見付けた淳。今まで表情一つ変えなかった妹が笑顔で恭也に話し掛けているのを目にし、複雑な思いに駆られる。これ以上余所者を野放しにしておく訳にはいかない。淳は美耶子を取り戻すべく、恭也の背に銃口の狙いを定める。
終了条件1 須田恭也を倒す。
終了条件2 屍人全滅状態で須田恭也を倒す。
「そして俺は、晴れて美耶子を手籠めに……」
ドスッ
淳「グハアッ!!」
亜矢子「……淳。あなたは私の婚約者なのよ。分かってるの?」
淳「……わ、悪かったよ亜矢子。今のはほんの冗談に決まっているだろう?」
亜矢子「本当にそうかしら……?」
淳「お、おい!その鎌どこから取り出したんだよ、早まるな亜矢子!!」
亜矢子「もう限界よ。そんなに美耶子に執着するなら、いっそあなたを殺して私も死ぬわ!!」
恭也「ちょっと、何で火サスみたいな展開になってるんだよ。これ、一応会議だろ」
美耶子「淳……お前、本当最悪だな……このストーカー野郎」
淳「美耶子、お前いつからいた!」
美耶子「お前が自分のシナリオ妄想してる辺りから」
淳「ストーカーなんて言葉、どこで覚えた!」
美耶子「恭也から聞いた。淳がしつこくて気持ち悪いって言ったら、そういう奴ってシスコンとかストーカーって言うんだって」
淳「おい、須田!!美耶子に下衆な言葉を教えるな!!」
恭也「だって本当の事だし。そもそも気味悪がられるような事してるお前が悪いだろ」
淳「くっ……俺に口答えするな!!」
亜矢子「その様子だと図星みたいね、淳」
淳「!……見るな亜矢子。お前までそんな目で俺を見るなああああっ!!」
恭也「おい、何だアイツ……急に走り出して。何処行くんだ?」
美耶子「さあね、ツンデレだからじゃない」
恭也「いや、結構ガチ泣きしてたっぽいけど……というかツンデレだからって何だよ」
亜矢子「そんなに気になるなら淳のところに行けばいいわ。自分の部屋で体育座りして泣いてるだろうから」
恭也「えっ?あいつってそんなネガティブなの?」
美耶子「一見強がってるけどガラスのハートだからね。おまけにちょっと歪んでるし」
恭也「俺から見たらアイツに限らず羽生蛇村の人間ってクセが強いっていうか、皆歪んでるんだけどな……っていうか、散々な言われようだな」
亜矢子「淳が悪いのよ。私と美耶子、どっちが良いのかはっきりしないんだから」
―in淳の部屋―
淳「どうせ俺は神代の遠縁の婿養子でしかないんだ……だから俺のシナリオなんてあるわけ……うっ」
恭也「おい開けるぞー」
淳「なっ……!?おい、お前!!扉を開けるときは俺が返事してから開けろ!!」
恭也「ああ、悪い悪い」
淳「全然謝る気のない謝り方だな。許さん。ここで土下座……ぐがっ」
恭也「あーあ、全く素直じゃないお兄さんだな。それ食べて元気出しなって」
淳「……何だこれは」
恭也「さっきもらった。亜矢子さんと美耶子が作ったクッキーだよ」
淳「何、亜矢子だと……毒でも入ってるんじゃないだろうな?」
恭也「そんな訳ないだろ。あのな、亜矢子さんは亜矢子さんなりにお前のことを大切に想って心配しているから、いつも気に掛けてくれるんだよ」
淳「いつも俺に鎌を向けてくる女が、俺を気に掛けるだと?」
恭也「だから、それも愛情の裏返しだって。きっとあんたがもっと亜矢子さんのことを大切にしようと思えば、亜矢子さんだってその気持ちに気付いて、もっと優しく接してくれると俺は思うよ。じゃ、今日はもう帰るから」
淳「今日はって……また来るつもりか?」
恭也「さあな、用があればの話だよ。じゃあな」
淳「……フン、余所者のくせに」
―――――