原作「NT」の世界観から、ラストの犀賀は贖罪として、永遠にヒロインに殺される事を選んだという話でした。
犀賀がクールな性格になったのは、犀賀当主としての使命感やプレッシャーを乗り越えるための術だったのではと思います。自分に課せられた責務、今まで手に掛けてきた人の命、全て背負って生きる覚悟から、物事に流されない無感動な人格に変わっていったのではと思います。
ただ、最後に恋人の名を呼んで消えていった犀賀には、同じ医者である「1」の宮田に比べて人情味を感じました。恋人を殺す動機も宮田は自分のコンプレックスを刺激されたのが動機ですが、犀賀は責務を全うするためですし、何より幸江を殺害する前に「先に行っててくれ」と言っていることから、儀式が成功しようが失敗しようが、後追いするつもりだったんじゃないかと思います。宮田は転んでもただでは起きないというか、ふてぶてしいので後追いとか絶対しない男だと思います。
犀賀は屍人化して自分を追いかけてきた幸江を撃った後、嫌気が差したのか自分も死にますが、宮田は自分に託された求導師としての役割を果たすため、途中で追いかけてくる恩田姉妹をネイルハンマーで殴るわ、身動きできないよう釘を打ち込むわ、ダイナマイトで生き埋めにするわ、目的を果たすまでは死んでたまるかというサディスト、サバイバル精神が物凄い人だったなと思います。