※夢主登場なし、台詞のみ、キャラ一部崩壊
宮田「…………」
牧野「…………」
理沙「……あ、あの(気まずい……)」
宮田「……ああ、不愉快ですね。何故『1』が発売されてから数十年も経っているのに、今更こうして顔を合わせなきゃいけないんです?」
牧野「み、宮田さん、落ち着いてください。そんなこと言ってしまったら本末転倒じゃないですか」
宮田「……チッ(蛇睨み)」
牧野「ひいっ……!!」
理沙「ちょっと宮田先生、冷静になりましょうよ!」
宮田「私は十分冷静ですが何か」
牧野「怖い……目力で殺される……」
理沙「牧野さんもそんな部屋の隅に蹲らないでくださいよ!」
宮田「……まあ良いでしょう。こんな事をしていても時間の無駄ですし。会議だか何だか知りませんが、私も色々皆さんに訊いておきたいことはあるので」
理沙「ほら!宮田さん機嫌直してくれたみたいですよ!牧野さん早くこっちに来てください!!」
牧野「で……でも……」
宮田「ほら、グズグズしないでさっさとしてくださいよ」
牧野「う……分かりました」
宮田「それでは早速私から一つ牧野さんにお尋ねしたいことがあるのですが」
牧野「な、何でしょう?」
宮田「あの時、前田さんのところの娘さんを置き去りにした後、何で宮田医院に来たんです?」
牧野「え?ええと……それは、その……私一人では見付けられなかったので、探す人出が欲しいと思って……」
宮田「本当は自分だけ助かりたくて、逃げ場を求めて彷徨っていたんじゃないですか?」
理沙「ちょっと先生!それは言い過ぎじゃないですか?」
宮田「あなたは口を挟まないでください。お姉さんと同じ姿にして差し上げましょうか?」
理沙「え?先生今何て……」
宮田「何で何も言わないんです。卑怯じゃないですか、そういうの。今日は不満をブチまける企画か何かじゃなかったんですか。どうせこういう場を設けたのなら、俺は言いたいこと言いますよ」
理沙「何か最初は不満ばっかり言っていたのに、先生乗り気になってる……」
牧野「確かに、私のしたことは愚かな行動ばかりでした……でも、あなたこそ、人のことは言えないと思います」
宮田「どういう意味です?」
牧野「あ……あなたこそ、私をしたでしょう?しかもあなたは、自分が求導師になるために私を殺したんです」
宮田「…………」
牧野「そうして私は死ぬことも出来ず、人の姿を留めることも出来ず、肉塊になって永遠に生き続けることしか出来なくなったんです」
宮田「……自己保身な言い方ですね」
牧野「え?」
宮田「たしかに私は残酷な男です。それは認めます。私があなたや美奈、理沙さんにしたことは赦されることではありません。しかし、あなたが自分の結末を全て私の所為にするのはいかがかと思います。……まあ、いずれあなたが私に殺されることは決まっていたようなものだとも思いますけどね」
牧野「何を、言っているのです?」
宮田「今になれば、あなたと私がこの呪われた村に双子として生まれたときから、いずれあなたが私に殺されることは決まっていたんじゃないかと思うんですよ。正反対の境遇、性格……運命というよりは悪縁とでも言った方が良いのでしょうかね」
牧野「あ、悪縁だなんて……」
宮田「私はあなたを殺しました。しかしそれは間接的な結果であって、結局は今までのあなた自身がしてきたことの応酬だとは思いませんか?」
牧野「応酬って……」
宮田「あなたは子どもの頃からそうだった。自分では何一つ決められず、八尾比沙子の操り人形。あなたがそんな人でなければ、私はあなたを殺さなかったでしょう」
牧野「そ、そんな……」
宮田「それに私に殺されなかったとしても、あなたのように自分の判断で行動することが出来ない人が、あんな世界を何時までも生き延びれるとは思えません。屍人達にいずれお仲間にされていたことでしょう」
理沙「でも、エンディングで須田君が羽生蛇村の屍人を全滅させていましたよね?それまで逃げ伸びていれば、生き残ることも出来たかもしれませんよ?」
宮田「可能性がないとは言えませんね。丸腰のくせに無駄に生き延びていましたから……ですが、生きている間も求導女のベールを拾ったりストーカーみたいにくだらないことばかりしていた人が、須田の救済が始まるまで生き残れる可能性は限りなく低いと私は考えますが」
理沙「うっ……それは、一理ありますね……」
牧野「そんな……私はただ、八尾さんが心配だっただけです!そんな、そんな……」
宮田「あなたの信愛する八尾比沙子が呪いの元凶とも知らずに……あなたは本当にお目出度い人だ。愚かなほどに」
牧野「私にとっては、八尾さんは全てだったんです!あの人の正体を知るまでは……」
理沙「牧野さん……」
宮田「甘い考えの上に意思薄弱……あなたのような暢気者が異界で生き延びたとしても、いつまでも正気を保って生きていられるとは思えませんが……って、牧野さん?」
牧野「…………」
理沙「牧野さん、死んでる!?」
牧野「…………」
理沙「宮田先生言い過ぎなんですよ!!牧野さん気絶してるじゃないですか!!」
宮田「……ハア、これだから牧野さんは嫌なんですよ」
理沙「呆れてる場合じゃないですよ!先生、どうしましょう?」
宮田「仕方がありません。点滴を打つので、隣の病室にあるベッドを整えておいてていただけますか?」
理沙「わ、分かりました!」
牧野「…………ごめんね。知子ちゃん……八尾さん……」
宮田「……全く。兄さんは、結局俺がいないと駄目なんじゃないか……」
―――――