どちらが狂気か・あとがき

見様によっては宮田が屍人化しており、別の見方をすれば宮田以外(ヒロインや看護婦達)が屍人化している、という話です。

●宮田が屍人の場合
生前、神代の命令で患者を監禁していた記憶から、屍人化しても患者や看護婦達を手当たり次第に拘束、監禁していく。

院長室に来たヒロインを患者だと思い込み首を絞めたが、まだ生前の記憶が残っており、自分の婚約者だと気付き殺害未遂に終わる。

ヒロインを階段から落としたときには宮田の屍人化がかなり進行し、人間の感情よりも「あらゆる人間を楽園へ連れて行く」という使命感が強くなっている。殺人、実験を繰り返すマッドドクター化し、ヒロインも自分と同じ世界へ連れて行こうとする。最後にヒロインが見た宮田の涙は、屍人の目から流れ出る血。

●宮田以外(ヒロインと看護婦達)が屍人の場合
話の冒頭から屍人化している。人間的な行動はしているが、自分が屍人化していることに気付いていない。病院で宮田の居場所を訊くため屍人の看護婦とヒロインは話すが、人間の宮田に首を絞められ仮死状態になる。意識を取り戻した後、院長室で宮田に拘束されていた屍人の看護婦を見つけ、助けようとする。

ヒロインと看護婦は病院を出て逃げようとしているが、実際は屍人の性質で、まだ屍人になっていない人間の宮田を捜し回っている。屍人化で自分が考えていることと、実際にやっていることの区別が付かなくなっている。そのうちに人間の宮田を見つけたものの鬼畜宮田に倒される。

恩田姉妹のように、屍人の真相を知るため宮田に解剖される。最後に見せた宮田の涙は、羽生蛇村に起こった真相を探るため、婚約者を解剖しなければならない悲しみ、苦しみから。この後、村に呪いがかけられたと知った宮田は宇理炎を先代美耶子から託され、村人を救済する。


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