Paradise Regained・あとがき

必殺仕事人ウェスカーの話でした(笑)

ウェスカーは若い頃からウィルス研究に関わったり、色々な製薬企業と取引したり、最終的に自分が神になるとも考えましたが、それも「頂点に立って世界を支配してやる」のが本心ではなく、「こんな世界終われば良い」という終末思想の方が強かったのではと思います。

特に、「5」でウェスカーがクリスとの決戦で本心を打ち明けたとき、内心ウィルスの力に群がる人間の薄汚い野心に嫌気が差していたんだろうなと思いました。では、そういう腐った世界にウェスカーが何に価値を見出していたのかといえば、荒んだ世界でも人間らしく生きようとするヒロインのような存在だったのではないかと思い、この話が生まれました。

ウェスカーにとってヒロインを蘇らせることができたのは、彼自身の救いでもあります。殺人のためにウィルスが使われているくだらない世の中で、ウィルスによって人を生かすことに成功したのは、ウェスカーにとって価値あることです。ヒロインの存在、命そのものがウェスカーにとって、こんなくだらない世界も生きる価値があると思わせてくれる存在となります。


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